喫茶店でAVを見ないでください

ある晴れた日のことである。

 

 

 

その日、久しぶりに早起きした私は、眠い目をこすりながら自転車に乗って喫茶店に向かった。

 

 

冷たい風を切って、颯爽と道路を横切って行く。

 

 

 

ひんやりとした空気が、頬を伝う。

 

 

 

 

最高の気分である。爽快だ。

 

 

 

 

早起きは三文の得、という諺があるが、その意味がドンドン身に染みてくるほどの最高。

 

 

 

 

「ああ・・・今日はいいこと起こりそうだなあ」

 

 

そんな気が、なぜだかしてくる。

 

 

 

 

そんな、爽快な気分を漂わせながら、私は自転車を漕ぎ続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ようやく喫茶店に着いた私は、カウンターで紅茶を注文し、豪快に席に座る。

 

 

 

優雅に紅茶を飲みながら、おもむろにバックからmacを取り出し、ディスプレイを開いた。

 

 

 

 

 

 

その時だった。

 

 

 

 

 

 

その時、なぜか知らないが、ブラウザの「最近見たサイト」の部分に

 

 

「新人ナースのイケない検診 ~ヤラシイ病院の濃密な7時間~」

 

 

という履歴が流れて来た。

 

 

 

 

 

突然、流れてきたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

おっと?

 

おお~と????

 

 

 

 

なんだこれはああああああああ??????????

 

 

 

 

 

 

 

 

正直言って、見た覚えは、全くない。

 

 

 

 

 

しかし、どう確かめても、ブラウザの「最近チェックしたサイト」という欄に、確かに「新人ナースのイケない検診」という文字があるのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は困惑した。

 

 

 

 

うむむむむ

 

 

 

 

俺は過去に見た・・・・というのか。

 

 

 

 

 

もちろん、見た覚えは全くない

 

 

 

 

 

何かの間違いだ。

 

 

 

 

 

そう思った私は、ブラウザの履歴消去ボタンを押そうとした。

 

 

 

 

 

だが、その時、悪魔の囁きが突然私を襲った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな清々しい朝じゃないかああああ。

 

 

いやらしい動画を見ても誰も文句は言わないぞおおおお。

 

 

 

 

しかも、オマエの席は、店の一番奥の壁際じゃないかああああ!!!

 

 

見ていたって誰も気づくものはいないのだ!!。

 

 

見ても大丈夫。大丈夫だぞおおお!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

そ、そうか・・・

 

なるほど。

 

それは名案だなあ・・・

 

 

そうやって、悪魔のつぶやきに、説得されてしまった私は、アダルティ~な動画を喫茶店で見始めた。

 

 

 

全く躊躇することなく。

 

 

 

 

 

 

私は、悠然と動画を見続けた。

 

 

 

 

 

ただ時間だけが流れて行く。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

長らく動画を見ていたようだった。

 

 

 

 

ただ、動画を見ていて一点だけ、気がかりなことを途中で発見した

 

 

 

 

それは

 

 

「私の近くを通りすがる店員が、私をガン見してくる点」である。

 

 

 

すごく気になる。

 

 

 

なぜ通るたびに私をガン見してくるのか。

 

 

 

しかも、カウンターの方では私の方を見ながら店員の集団がクスクスしている。

 

 

 

 

 

?????

 

 

 

私は、壁際にいるはずだ。

 

 

 

しかも、ディスプレイは、あちらからは、決して見えない。

 

 

 

なぜクスクスしているのだ。

 

 

 

私が、そんなにイヤラシイ顔をしているのだろうか。

 

 

 

 

 

 

もしかして私の顔のイヤラシさを見てクスクスしているのかもしれない。そう考えた自意識過剰すぎる私は、とてつもなく真面目な顔でAVを見ることにした。

 

 

 

 

 

 

しかし変わらない。

 

 

 

私の近くを通る子連れの親は、私をみるなり

 

 

「見ちゃダメ!!」などと子供に忠告している。

 

 

 

 

????????

 

 

 

なんだこれは。

 

 

 

 

気を取り直そうとした私は、立ち上がり、一旦、コーヒーを注文しにカウンターに向かうことにした。

 

 

 

カウンターでは、私の顔を見ながらにやけ顔で店員が応対してくる。

 

 

やはりおかしい。

 

 

 

だが、気のせいだと思い込み、席に戻ろうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、それから帰ってきたとき、気づいたしまったのだ。

 

 

 

 

私の背後の壁は、なんと「鏡」になっていたという事実に。

 

 

 

 

 

 

???????????????????????

 

 

 

 

 

 

見えていた、ということなのか。

 

 

 

 

確かに、通路から立って見てみると、ちょうどいい感じにディスプレイが鏡に反射して見える。

 

 

 

鏡ごしに丸見えだったわけだ。私のAVは。

 

 

 

 

 

ああ、自意識過剰で良かったのだ。間違っていなかったのだ。

 

 

 

 

AVを見ている私を、店員はクスクス笑っていた・・・・!

 

 

 

親子は、私から目を背けようとさせた・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

 

 

 

 

死にたい・・・・

 

 

 

穴があったら入りたいヨ・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

という体験を先日しました。

 

 

 

あれからというもの、あのいわくつきの喫茶店には二度と行っておりません。

 

 

 

恥ずかしすぎて、行く気にもならなかったのです。

 

 

 

 

 

しかし、一週間ほど考えて、あの時、私の行動によって、店員や他のお客様は私に対して非常に強い「魅力」を感じていたのではないか、という考えを、ふと思いつきました。

 

 

 

 

 

その「魅力」の正体、それは「ギャップ萌え」だと思います。

 

 

 

 

 

ンンンンんん?カワモリ、どういうことだ?

 

 

 

 

そう思う方が多数だと思います。

 

 

 

 

では、その理論を今から説明します

 

 

 

 

 

思い浮かべてください

 

 

 

 

あなたの身近に、めちゃくちゃ美人で、かつ清楚な女の人がいるとしましょう

 

仕事ができて、気配りもできて、なおかつ笑顔が素敵。

 

しかもスタイルは抜群で、もう完璧すぎる女性。

 

そんな女性がいるとしましょう

 

もちろん妄想です

 

 

その女の人の名前を、仮にも美希さん、ということにしましょう。

 

 

 

美希さん(仮名)のスペック

 

愛称:みっきー

生年月日:1993321

出身地:北海道

血液型:A

身長:187cm

体重:23kg

スリーサイズ:130-54-76Zカップ)

趣味:フィットネス、読書

 

 

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(写真はイメージです)※フリー画像

 

 

 

 

以上のような女性がいるとします

 

 

完璧すぎるスペックです

 

 

しかもさっき申し上げた通り、

 

 

「仕事ができて、気配りもできて、なおかつ笑顔が素敵」

 

 

なのです。

 

 

もう神が産んだとしか言いようがありません。

 

 

一応、もう一度断っておきますが全て「妄想」です

 

 

 

その辺をご理解いただきたいです

 

 

 

そんな完璧すぎる美女

 

 

皆様は思い浮かべられましたでしょうか

 

 

では、そんな女性が、実は「変態」だったとしましょう

 

 

しかも、「ド」がつくほどの変態です

 

 

もしそうだったら、あなたはどう思うでしょうか

 

 

あなたは絶対、「興奮」します

 

 

しかも「ド」がつくほど興奮します。

 

 

 

 

ここで重要なことは、この「超絶美女が実は変態だったら興奮する」と言う部分です

 

 

 

 

私が言いたいことは、これが、AVを見る私にも当てはまるのではないか、ということなのです。

 

 

 

 

つまり、私がAVをみていたら、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え♡♡♡あの河守さんもそんな変態な面があるのね~♡♡♡♡♡♡♡♡♡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と世の中の女子たちもギャップ萌えするのではないか、ということなのです。

 

 

 

 

 

 

そうだ、きっとそうに違いありません

 

 

 

 

 

多分、私は、世の中の女性には、ジェントルマンだと思われているはずなのです。

 

 

 

 

 

 

もしくは、イケイケ高学歴ボーイなのだと思われているはず。

 

 

 

 

 

 

間違いありません。

 

 

 

 

 

だからこそ、AVを見ていたらギャップ萌えするはずです。

 

 

 

 

 

間違いない

 

 

 

 

 

そうに違いない。

 

 

 

 

 

そうであってくれ・・・・・

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

しかし、ここまで考えて、一体私は何を言っているのかと気づきました。

 

 

 

超絶美女は、超絶美女だから変態でも許されるのです。

 

 

 

フツメンで変態だったら、ただの変態なのです

 

 

同じく、AVを見ていていいのは、向井理レベルの容姿を持っているか、それとも性格が最高にジェントルマンな男に限られるのです。

 

 

 

顔面が向井理レベルで初めて、ギャップ萌えに値するのです。

 

 

 

一体誰ですか。

 

 

 

「え♡あの河守さんもそんな変態な面があるのね♡」とかキモい妄想をこねくり回していたやつは。

 

 

 

 

 

 

勘違いも甚だしいです。

 

 

切腹すべきです。

 

 

 

 

一体、自分を超絶美女に例えるとは、どんな錯乱した精神をしているのでしょうか

 

 

自分の顔をしっかり鏡で見てから言って欲しいです

 

 

 

 

 

 

こんな顔でよく言えたものです

 

 

 

 

 

こんな顔

 

 

 

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この顔の人が喫茶店で堂々とAVを見ていたら、ギャップ萌えどころではありません。

 

 

わいせつです。

 

 

性犯罪なのです。

 

 

 

そう、私は性犯罪者だったのです。